「N°5って、ローとか、オー プルミエールとか、いくつかありますよね。何が違うんですか?」——シャネルのカウンターで、よく聞かれた質問です。どれも同じ四角いボトルで、名前の違いはラベルの小さな文字だけ。迷って当然だと思います。
私がカウンターに立っていたころも、N°5は、とにかく香水がよく売れていました。そして、プレゼントとして選ばれる方がとても多かった印象です。マリリン・モンローの「寝るときにまとうのはN°5を数滴だけ」という有名な言葉もあって、N°5には「香水の王道」というイメージがあります。多くの方にとって、憧れの香水なのだと思います。
N°5は、1921年に生まれたシャネルを代表する香りです。いまは香水として5種類があります。この記事では、元シャネルBAとして、5つがどう違い、誰に向いていて、いくらなのかを整理します。価格は、シャネル公式サイトに掲載されている税込価格です。
- N°5の5種類の香りの違いと価格(2026年10月時点)
- オードゥ パルファムとオードゥ トワレットは「濃さ」だけの違いではないこと
- 軽やかな「ロー」と「オー プルミエール」の違い
- 最初の1本と、贈り物の選び方
💡 この記事は「N°5の中でどれを選ぶか」に特化しています。N°5とほかの香りで迷っている方はN°5とミス ディオール比較をご覧ください。
先に結論:迷ったらオードゥ パルファム
初めてのN°5なら、オードゥ パルファムです。ローズとジャスミンを中心にしたフローラル アルデヒドに、トップのシトラスとラストのバニラが加わった、N°5の代表的な香り(メーカー公表)。50mL 20,570円です。
- 軽やかに、フレッシュにまといたい → ロー
- やわらかく、やさしい印象にしたい → オー プルミエール
- ウッディで落ち着いた香りが好き → オードゥ トワレット
- 特別な1本がほしい → パルファム
5種類の比較(香り・価格)
| 種類 | 香りの特徴(メーカー公表) | 価格(税込) | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| パルファム | グラース産ジャスミン、ローズ ドゥ メ、ネロリ、アルデヒド。1921年の最初のN°5 | 30mL 80,960円 | 特別な1本がほしい/記念の贈り物に |
| オードゥ パルファム | ローズとジャスミンのフローラル アルデヒドに、シトラスとバニラ。アンバーの余韻 | 50mL 20,570円/100mL 28,270円 | 迷っている人すべて/贈り物 |
| オードゥ トワレット | ローズ、ジャスミン、イランイランに、サンダルウッドとヴェチヴァー。フローラル ウッディ | 75mL 24,860円/150mL 34,540円 | ウッディで落ち着いた香りが好き |
| オー プルミエール | イランイランとネロリから、ローズとジャスミン、バニラとムスクへ。軽やかで輝くよう | 50mL 20,020円/100mL 27,610円 | やわらかく、やさしい印象にしたい |
| ロー(オードゥ トワレット) | レモン、マンダリン、オレンジから、ローズとジャスミン、セダーとホワイトムスクへ | 50mL 20,020円/100mL 27,610円 | 軽やかに使いたい/日中に |
※価格は2026年10月時点でシャネル公式サイトに掲載されていた税込価格です。変動するため購入時は最新情報をご確認ください。オンラインでは在庫切れのサイズもありました。香りの感じ方には個人差があります。
正直にお伝えすると、N°5の香水はいちばん小さくても50mL・約2万円からです。オードゥ トワレットはいちばん小さいサイズが75mLなので、24,860円からになります。まず持ち歩いて試したい方には、20mLを3本セットにした携帯用(ロー オードゥ トワレット ツィスト&スプレイ・23,980円、オードゥ トワレット パース スプレイ・20,460円)という選び方もあります。
オードゥ パルファム——迷ったら、N°5の代表の香り
オードゥ パルファムは、1986年に、シャネル3代目の専属調香師ジャック・ポルジュが、パルファムをもとに新しく解釈したN°5です。パルファムと同じ、ローズ ドゥ メとジャスミンを中心にしたフローラル アルデヒドの香調に、トップのシトラスと、ラストのバニラが加わり、より現代的な香りになっています(メーカー公表)。
シャネルはこの香りを、センシュアルなアンバーの余韻を残すN°5と説明しています。いわゆる「N°5の香り」として思い浮かべる人が多いのは、この1本だと思います。迷ったら、まずここから試してみてください。
オードゥ パルファムとオードゥ トワレットは「濃さ」だけの違いではない
一般的に、オードゥ パルファムのほうが、オードゥ トワレットより香りが濃く、長く続きます。でもN°5の場合、名前が同じでも、香りの組み立てが違います。シャネルは「1つの香り、3つの解釈」として、次のように説明しています。
- オードゥ パルファム:センシュアルなアンバーの余韻
- オードゥ トワレット:包みこむようなウッディ
- ロー オードゥ トワレット:いきいきとフレッシュ
「オードゥ トワレット=薄いオードゥ パルファム」と考えて選ぶと、思っていた香りと違うことがあります。買う前に、気になるものを肌で比べてください。
オードゥ トワレット——ウッディが息づく、もうひとつのN°5
オードゥ トワレットは、パルファムの3年後、1924年に生まれました。ローズ、ジャスミン、イランイランのフローラル ブーケをアルデヒドが引き立て、サンダルウッドとヴェチヴァーが奥行きを加える、フローラル ウッディの香りです(メーカー公表)。
ボトルは、1924年の最初のオードゥ トワレットのデザインに着想を得た、装飾をそぎ落としたシンプルな形になっています。ウッディの落ち着いた香りが好きな方に向いています。ただし、いちばん小さいサイズが75mL(24,860円)なので、ほかの4種類より最初の出費は大きくなります。
オー プルミエール——やわらかく、輝くようなN°5
オー プルミエールは、2008年にジャック・ポルジュが生み出した、軽やかで輝くようなN°5です。イランイランとネロリがアルデヒドと出会うトップから、ローズ ドゥ メとジャスミンのミドル、そしてバニラとムスクのやわらかなラストへ移っていきます(メーカー公表)。
シャネルは「光と透明感、軽やかさにあふれたN°5」と表現しています。N°5の華やかさはそのままに、やさしい印象にまといたい方に向いています。
ロー——いちばんフレッシュなN°5
ロー オードゥ トワレットは、いまのシャネル専属調香師オリヴィエ・ポルジュが、N°5をフレッシュに再解釈した香りです。レモン、マンダリン、オレンジのきらめきにアルデヒドが勢いを加え、ローズ、ジャスミン、イランイランへ。最後はセダーとホワイトムスクがやわらかく寄り添います(メーカー公表)。
5種類の中で、いちばん明るく軽やかです。「N°5はクラシックすぎるかも」と感じる方や、日中やオフィスで気軽に使いたい方は、ローから試してみてください。
パルファム——1921年から続く、最初のN°5
パルファムは、1921年に初代専属調香師エルネスト・ボーが生み出した、最初のN°5です。香りの中心はグラース産のジャスミン。シャネルによると、この花を使っているのは、N°5の中でもパルファムだけです。ローズ ドゥ メとグラース産ネロリが溶けあい、アルデヒドがすっきりとした余韻を添えます(メーカー公表)。
価格は30mL 80,960円と、5種類の中で飛び抜けて高く、2026年10月の確認時点では、シャネル公式のオンラインでは在庫切れでした。ブティックで、ほかの香りと比べて試すのがおすすめです。
店頭で試すときのコツ
N°5は、どの種類もボトルの形がほとんど同じです。5種類を一度に試すと、鼻が慣れてしまって違いがわからなくなります。この記事で気になる香りを2つまでに絞ってからカウンターへ行くのがおすすめです。
- まず試香紙(ムエット)で2つを比べる
- 気に入ったほうを手首にのせて、30分ほど置いてからもう一度香りを確かめる
- オードゥ パルファムとローで迷ったら、左右の手首で比べる
N°5の特徴であるアルデヒドは、人によっては「クラシック」「大人っぽすぎる」と感じることもあります。紙で試して強く感じても、肌にのせて時間がたつと、印象が変わることがあります。
贈り物に選ぶなら
売り場でも、N°5はプレゼントで選ばれることがとても多い香水でした。「憧れの香水」を贈られるのは、うれしいものです。贈る相手で考えると、次のように選ぶと失敗しにくいと思います。
- 相手の好みがわからない → オードゥ パルファム 50mL(20,570円)
- 若い方・香水に慣れていない方 → ロー 50mL(20,020円)
- 予算を抑えたい → N°5 サヴォン(石けん・6,050円)や、N°5 ロー ハンドクリーム(9,240円)
- 記念日に、特別な1本を → パルファム
同じシャネルの、もっと明るい香りを贈りたいなら、チャンスやココ マドモアゼルも候補になります。予算から考えたい方は予算別のプレゼントコスメも参考にしてください。
よくある質問
シャネル N°5は何種類ありますか?
香水として中心になるのは5種類です。パルファム、オードゥ パルファム、オードゥ トワレット、オー プルミエール、ロー オードゥ トワレット。このほかに、サヴォン(石けん)やハンドクリーム、ボディ用のアイテムもあります(2026年10月時点、シャネル公式サイトより)。
初めてのN°5は、どれを選べばいいですか?
オードゥ パルファムをおすすめします。ローズとジャスミンを中心にしたフローラル アルデヒドに、シトラスとバニラが加わった、N°5の代表的な香りです。50mL 20,570円です(2026年10月時点)。
N°5の「ロー」と「オー プルミエール」は何が違いますか?
ローは、レモンやマンダリン、オレンジから始まり、セダーとホワイトムスクで終わる、いちばんフレッシュなN°5です。オー プルミエールは、イランイランとネロリから始まり、バニラとムスクのやわらかな余韻へ移る、軽やかで輝くようなN°5です。どちらも50mL 20,020円です(2026年10月時点)。
オードゥ パルファムとオードゥ トワレットの違いは、濃さだけですか?
濃さだけではありません。シャネルは、オードゥ パルファムを「センシュアルなアンバーの余韻」、オードゥ トワレットを「包みこむようなウッディ」と説明しています。オードゥ トワレットはサンダルウッドとヴェチヴァーが奥行きを加える、フローラル ウッディの香りです。
N°5のパルファムはいくらですか?
30mL 80,960円です(2026年10月時点、シャネル公式サイト)。グラース産のジャスミンを使っているのは、N°5の中でもパルファムだけだと、シャネルは説明しています。
まとめ
N°5は5種類。オードゥ パルファムは代表の1本、オードゥ トワレットはウッディ、オー プルミエールはやわらかく輝く、ローはいちばんフレッシュ、パルファムは1921年から続く最初のN°5です。同じ名前でも、香りの組み立てが違います。シャネルのほかの香りも見てみたい方は、シャネルの香水 種類一覧もご覧ください。
迷ったら、オードゥ パルファムから。気になる2つを手首にのせて、30分ほど置いてから確かめてみてください。最後の一本は、あなたの「好き」を信じて選んでください。それが、いちばん後悔のない選び方です。